子どもも大人も感動体験を
自然満喫のレジャースポット
海にも山にも近い宗像市には、家族で訪れたい、自然豊かなレジャースポットが数多くある。今回は、コロナ禍でも訪れやすい屋外施設を3カ所ピックアップ。子どもの好奇心を掻き立てるおすすめの場所ばかりだ!
なかの風の丘農園
宗像大社から車で約5分の山間にある『なかの風の丘農園』は、冬にみかん狩り、夏にブルーベリー狩りが楽しめる地元で人気の農園。2023年は7月28日ごろからブルーベリー狩りが解禁し、夏休み中の子どもで賑わいを見せている。
舗装された道から脇道に入った先に農園があるのだが、実は今年から入口の門が封鎖されている。理由は、猪被害を防ぐため。門が閉まっていても、「営業終了」の看板が出ていなければ営業しているので、自分で鍵を開けて中に入ろう。車を降りての門の開閉は手間かもしれないが、これも猪から美味しい果実を守るためだ。
ブルーベリー狩りの農園は、門がある入口からさらに車で200mほど上がったところにある。受付・案内所の看板の前には、25台分の駐車ゾーンを整備している。
入場料は中学生以上が500円、幼児から小学生が300円で、味見しながら摘み取ることができる。受付で摘み取り用のパックを受け取ったら、いざ農園へ。
農園では30種類、370株ものブルーベリーが植えてあり、順次食べ頃を迎えるそう。その美味しさから、宗像市のふるさと納税の返礼品にも選ばれている。「ブルーベリーにたくさんの品種があることは一般的には知られていませんが、世界には約150品種あり、ここではその5分の1が味わえます。実が良くなり、味もいいものを選んでいるので、好みの品種を見つけてくださいね」とご主人。
水切れを良くして実の糖度を上げるため、ここでは「根域栽培」という鉢を用いた栽培法で育てている。また、農薬の使用も控えているため、収穫したままを食べても安心。その分、虫も多いのはご愛嬌だ。
小さな子どもでも手に届く高さに実がなっているため、幼児から楽しめるのも嬉しいところ。食べ頃は、実の上部がぷっくりしているとか。品種によって甘みが強いもの、酸味があるものなどさまざまなので、好みを見つけたら、その苗木からぷっくりした実を摘み取ろう。ちなみに、大きさと甘さは比例しないらしく、大きいものは食べ応えがある分タネも大きいそうだ。
パックいっぱいまで取ると約500グラムで、100グラム300円で購入できる。中には、1キロ以上買って帰るファミリーもいるとか。冷蔵なら1週間程度の日持ちだが、冷凍できるので多めに収穫して長く楽しむのもいい。
収穫に時間制限はないので、受付前の休憩スペースで給水しながら楽しもう。軽食を持参して、ここで食べることも可能だ。
ブルーベリー狩りは例年、8月20日前後まで実施されているが、天候の影響を受けやすいので、事前の電話確認がおすすめ。また、10月中旬から12月中旬まではみかん狩りが楽しめる。漫画「クッキングパパ」の作者・うえやまとちさんも何度も訪れているほどの美味しいみかんというのだから、こちらも見逃せない!
なかの風の丘農園
[住所]宗像市田島1759
[電話]090-8839-4243
[営業]15時から19時まで
[定休]火曜(事前予約があれば開園)
[入園料]中学生以上500円、幼児~小学生300円
大島海洋体験施設 うみんぐ大島
大島港から徒歩で約8分の場所にある『大島海洋体験施設 うみんぐ大島』は、大島の自然を安全に満喫できる施設。特に「釣堀」が大人気で、週末は島外から訪れる人で早々に予約が埋まるそうだ。
釣防波堤は予約不要で入れるが、釣堀は完全予約制。受付を済ませたら、無料で貸し出している救命胴衣を着用して中へ。
安全に配慮して整備されている施設なので、歩道にも柵があり、子ども連れも安心。釣堀は、釣具やエサなど、全てレンタルされている。荷物が多くなりがちなファミリーも、ここなら手ぶらで行っても存分に楽しめる。
釣堀を遠くから見ると、海に浮かぶ宇宙ステーションのよう。まさに、大島の豊かな自然を360度体感できる場所だ。悪天候でなければ、波や風も穏やかなので、半日いてもストレスフリーだ。
イケスは6区画あり、ラインを引いて区分けされている。平均的によく釣れる場所があるため、区分けは抽選方式。どこのポイントになるかは、当日の運次第だ。1区画の幅も広く、隣の区画とも適度に距離を取れるので、子どもが小さいうちは1区画(竿1本)で十分。膝丈ほどの転落防止柵がある点も安心できる。
竿出しができるのは小学1年生以上だが、未就学の子どもも入場はできるので、タモ(網)で魚をすくい上げるお手伝いをして楽しもう。エサのキビナゴを恐る恐る触るだけでも、普段できない経験だ。
釣堀に入っている魚は、1キロ前後の真鯛、800グラム前後のシマアジ、高級魚のキジハタなどの大物ばかり。午前の部、午後の部ともに3時間利用でき、上手な人は10尾も釣り上げるとか。この日は約30分で3尾の真鯛をゲット。初心者でも3時間あれば2~3尾は釣れるそうだ。
生きた魚を触ったことがないという子どもたちは、バタバタとはねる姿に大興奮。「鯛って言うんだよ」「鱗は硬いね」など、見て、触って、家で調理して食べるという体験は、子どもたちにとって忘れられない体験になるはずだ。
釣った魚は、生きているうちに神経締めしてくれるから、身の締まりも抜群。1尾250円で内臓と鱗取りまでしてくれるので、帰宅後の手間を省きたい人はぜひ利用しよう。発泡クーラーや氷も購入できるので、鮮度のいい状態で持ち帰ることができる。
同施設では、事前に予約すれば、シーカヤック体験や海中観察なども楽しめる(いずれも期間限定)。詳しくはホームページを確認しよう。
大島海洋体験施設 うみんぐ大島
[住所]宗像市大島1822-4
[電話]0940-72-2361
[営業]8時から17時まで
(釣堀は午前の部8時45分~11時45分/午後の部12時45分~15時45分)
[定休]火曜(火曜祝日の場合は翌日)
[H P]
https://umi-ing.com[入場料]中学生以上620円、小学生310円、小学生以下無料
[釣堀利用料]中学生以上6,000円、小学生3,800円/見学のみの同伴者は中学生以上1,660円、小学生830円
[付帯サービス]釣りエサ200円~、貸し竿セット1,200円
その他の体験メニューは、上記URLよりHPをチェック
カナディアンキャンプ大島牧場
大島の北側にある『カナディアンキャンプ大島牧場』は、6万平方メートルもの広大な敷地を有する、養老馬預託・仔馬育成牧場。20頭の馬たちが目の前に海が広がる、自然豊かな環境で放牧されている。
ここで楽しめるのは、馬との触れ合いと、馬上から望む絶景。2017年に「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界遺産に登録されたが、大島には世界遺産の構成遺産である『宗像大社中津宮』と『沖津宮遙拝所』の2カ所がある。大島牧場の尾片さんによると「世界遺産が間近にある場所で、乗馬体験ができるのは、日本でもほとんどないと思います」。まさに唯一無二の体験ができる場所でもある。
馬と写真を撮るプランもあるが、せっかくここまで来たのなら、ぜひ乗馬も体験したい。
スタッフが引く馬に乗って散歩を楽しむ「引き馬」は、2、3歳から一人で乗ることができる。
この日は、ヘンリーというとてもおとなしい13歳の雄馬が引き馬の相手をしてくれた。初めは馬にまたがることを怖がっていた子どもも、スタッフに「真っすぐ前を見たら怖くないよ」「ここを握ると大丈夫だよ」と声をかけられ、その通りにするとあっという間に堂々とした姿に。
とても緑が豊かで、落ち着いた空間で乗馬できるので「初めてでも怖くなかった」と子ども。普段とは全く違う景観に包まれ、その目はすぐに輝き出した。2歳以下や一人で乗るのを怖がる子どもは、保護者同乗でぜひ体験させてみたい。
さらに、一味違う絶景を味わいたいなら、自分で手綱を持ってお散歩体験できる「ミニ遠乗りロング」がおすすめ。大島牧場を出発して、風車展望所までの30分のコースは、乗馬初心者でも難なく乗りこなせる。
馬の扱いなどを教えてもらったら、スタッフの先導に付いていざ出発。「馬にとって草はご馳走。食べたがることがありますが、食べさせてしまったら、これこそ本当の“道草を食う”なので、手綱を引いて、ダメだよと教えてあげてくださいね」というユーモアたっぷりのレクチャーに、リラックスした気分に。ここの馬は、人を乗せた経験が豊富な大人しい馬が多く、撫でると人懐っこく、嬉しそうな反応が返ってくる。安心して身を委ねることができそうだ。
展望所周辺の景色は、目線が一段と高くなり、日常で味わうことのない目線から絶景を拝むことができる。「天気が良ければ、この展望所からも沖ノ島が臨めます。それは絶景なんですよ」と尾片さん。距離が離れていても、神秘的な空気感が伝わってくるそうだ。この日はあいにくの曇り空だったが、それでもこの解放感は味わったことのないほどの感動があり、まさに大自然に抱かれているようだった。
乗馬経験者には、事前予約制のトレッキングも行っている。非日常を味わうのにぴったりの『カナディアンキャンプ大島牧場』。馬にまたがれる服装ならどんなスタイルでも参加できるので、気軽に体験してみよう。
カナディアンキャンプ大島牧場
[住所]宗像市大島2804-1
[電話]0940-62-1912
[営業]10時30分から日没まで
[定休]火曜
[H P]
https://oshima.canadiancamp.jp
大島までのアクセス
福岡県内の離島で1番の大きさを誇る大島までは、宗像市の神湊港から市営渡船(フェリー、旅客船)、民間の海上タクシーのいずれかで移動できる。
市営渡船は1日に7便の運航で、フェリーで片道25分、旅客船で片道15分。フェリーなら、車やバイクなどが航送できるので、島内に自家用車を持ち込みたい場合はフェリーを利用しよう(車の航送は事前に要予約)。
旅客運賃は大人片道570円(小学生以下290円)。ただし、大人に同伴する未就学の子どもは、大人1人につき1人まで無料。
海上タクシーは、空きがあれば10分程度で準備が整うが、確実に利用したい場合は予約がおすすめ。スピードがある分、多少の揺れは感じるものの、神湊港~大島港間が約10分と最速で到着する。市営渡船に乗り遅れた時にも助かる。
実際に乗り比べた個人の感想を紹介すると、フェリーはほとんど揺れを感じず、料金も安く、とても便利だと感じた。ただ、じっと座るのが苦手な幼児(未就学児)は、落ち着かないのかウロウロしたがり、ハラハラする場面があった。海上タクシーは適度に揺れるが、貸切なので、その点のストレスがない。『大島海洋体験施設 うみんぐ大島』を利用する場合、海上タクシーなら、同施設の浮き桟橋に直行してくれるのも便利だ。ただ、自動車のタクシーとは違って、大人1人3500円、大人2人で5000円と、人数に応じた金額設定がされている(子どもは無料)。詳しくは、海上タクシーに問い合わせてみよう。(090-9566-3557)
大島島内の移動手段は、船の時間に合わせて運行されている大島観光バス、レンタサイクル、レンタカーなどがある。紹介した『大島海洋体験施設 うみんぐ大島』だけなら徒歩でも行ける。バスの時刻を気にせず、自由に島内を巡りたいならレンタサイクルがおすすめだ。島内は坂が多いので、『カナディアンキャンプ大島牧場』など港から離れた場所へは、大島観光バスやガソリン代込み3時間3500円のレンタカーがいいだろう。
【市営渡船】
https://www.city.munakata.lg.jp/w050/040/040/050/050/oosima/index.html
【大島観光バス】
https://www.nishitetsu.jp/bus/rosen/ooshima/
【レンタサイクル】
https://www.muna-tabi.jp/menu/useful/cycle.html